はじめに
普段の開発にWSL2上のUbuntu 22.04を使っています。最近新しいLTSであるUbuntu 24.04が公開されたので、折角なのでアップグレードしました。自身がUbuntuのバージョンアップグレードを行うのは初めてであり、いくつか躓いた点もあるので、その作業ログを残しておきます。(尚、躓いたのはUbuntuというよりWSL2の操作に関してです)
アップグレード前準備
アップグレード前の環境は以下の通りです。
% cat /etc/os-release
PRETTY_NAME="Ubuntu 22.04.4 LTS"
NAME="Ubuntu"
VERSION_ID="22.04"
VERSION="22.04.4 LTS (Jammy Jellyfish)"
VERSION_CODENAME=jammy
ID=ubuntu
ID_LIKE=debian
HOME_URL="https://www.ubuntu.com/"
SUPPORT_URL="https://help.ubuntu.com/"
BUG_REPORT_URL="https://bugs.launchpad.net/ubuntu/"
PRIVACY_POLICY_URL="https://www.ubuntu.com/legal/terms-and-policies/privacy-policy"
UBUNTU_CODENAME=jammyWSL2だとexportを使うことで簡単にバックアップを取れそうなので、まずバックアップを取ることにしました。
管理者権限で起動したPowershell上で、以下のコマンドを実行します。
# 現在の状況を確認
wsl -l -v
NAME STATE VERSION
* Ubuntu Running 2
docker-desktop Running 2
docker-desktop-data Running 2
# Export前にインスタンスを止める
wsl --shutdown
# 止まっていることを確認
wsl -l -v
NAME STATE VERSION
* Ubuntu Stopped 2
docker-desktop Stopped 2
docker-desktop-data Stopped 2
# wsl --export でバックアップを取る(vhdx形式)
wsl --export --vhd Ubuntu C:\Users\ubuntu.vhdx
# バックアップから復元できることを確認
wsl --import --vhd --version 2 ubuntu-backup C:\Users\wsl\ubuntu-backup C:\Users\ubuntu.vhdx
# インスタンスを起動して確認する(何故かrootユーザーでログインするが、データは入ってたのでOKと判断)
wsl -d ubuntu-backupアップグレード
バックアップが取れていることを確認したので、実際のアップグレードの作業です。 といっても、コマンドを一通り打つだけなので、特に難しいことはありませんでした。 時間はかかるので(自分の場合は30分ほど)、そこは気長に待ちましょう。
sudo apt upgrade
sudo apt dist-upgrade
# 自分は既にインストール済みでしたが、なければインストールしてください
sudo apt install update-manager-core
# 出たばかりなので -d オプションが必要
sudo do-release-upgrade -d
# 色々聞かれるので、適宜答えていく
# 最後にWSL2のインスタンスが落ちるので、再度起動する
# 再起動後に以下のコマンドでバージョンが24.04になっていることを確認
cat /etc/os-release
PRETTY_NAME="Ubuntu 24.04 LTS"
NAME="Ubuntu"
VERSION_ID="24.04"
VERSION="24.04 LTS (Noble Numbat)"
VERSION_CODENAME=noble
ID=ubuntu
ID_LIKE=debian
HOME_URL="https://www.ubuntu.com/"
SUPPORT_URL="https://help.ubuntu.com/"
BUG_REPORT_URL="https://bugs.launchpad.net/ubuntu/"
PRIVACY_POLICY_URL="https://www.ubuntu.com/legal/terms-and-policies/privacy-policy"
UBUNTU_CODENAME=noble
LOGO=ubuntu-logoおわりに
基本的には、この作業をするだけでアップグレードは完了です。ただ、いくつかハマった点があったので、それはこの後に書いておきます。
ハマった点
export時のエラー Error code: Wsl/E_ACCESSDENIED
WSL2のインスタンスをエクスポートする際に、以下のエラーが出ました。
wsl --export Ubuntu C:\Users
アクセスが拒否されました。
Error code: Wsl/E_ACCESSDENIEDこれでピンと来る人がいるかも知れませんが、エクスポート先はファイル名を指定する必要があります。以下のようにすればエラーが解消されます。
wsl --export Ubuntu C:\Users\ubuntu.tarまた、記事内では--vhdを使っていますが、tar形式でのエクスポートより大分速かったからです。
アップグレード後のUbuntu 24.04上で名前解決ができなくなった
これは、アップグレード前の環境に依存すると思います。
私はアップグレード前にDNS周りのトラブルがあったため、/etc/wsl.confを変更することで/etc/resolve.confを自動生成せず、手動で設定していました。1
アップグレード後も/etc/wsl.confは引き継がれており、内容も変わらずだったのですが、/etc/resolve.confは自動生成されるものになっていました。/etc/resolve.confを削除して、再度書き直しても解決しませんでした。そのため、sudo chattr +i /etc/resolve.confでファイルをロックすることで解決しました。(多分もっと良い方法はありそう……)2